予定は未定にして決定にあらず(シーザー)
2020年2月3日

♣ 独 行“甲賀の式内社4社” ♣

しばらく近江路ともご無沙汰なるが故に一所懸命プランを組んで「シャンテの日にどこへ行くの?」といわれたのは一昨日。性懲りもなくという言葉がドンピシャではあるが、この時期吹雪舞う野洲の田んぼの中を2時間歩いて鴨鍋喰いに行った時のことを考えればどうってことはない。甲賀市っていえば今やスカーレットの街。いざ 行かざらめやも。

11:25 JR草津線甲南駅で乗ってきた柘植行き普通電車を見送る。

何ともモダンな(ような)甲南駅駅舎。が、自動改札機はなくICカード専用の読み取り機があるだけ。

R128沿いにある矢川神社一の鳥居。ここから社頭の太鼓橋(右)まで150b余は優にある参道が見事。

茅葺の楼門と太鼓橋の取り合わせの妙。

渡れない(段がない)石造太鼓橋。これが今日の4社中3社まであった。そういえば多賀大社にもあったナ。

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今日のターゲット@:式内 矢川やがわ神社。写真左から楼門、拝殿、本殿。祭神は大己貴命、矢川枝姫命。

森尻の田んぼの中から矢川神社の社叢を南望(約500b)する。

虫生野(むしょうの)のJR沿い道路から信楽高原鉄道鉄橋が見えた。今日のコースと反対側。スカーレット・・

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貴生川駅。JR草津線と信楽高原鐡道と近江鉄道の接続駅。この時は帰りここまで歩くとは夢想だにしなかった。噫

北行した道路が線路と並行する辺りに北面(北西)した鳥居が。珍しい、と思ったらさらに珍しいことが。

今日のターゲットA 川田かわた神社。延喜式神名帳に載す「川田神社二座」の論社3社の一(他は湖南市坐川田神社と甲賀市土山町坐川田神社)。主祭神は天湯川桁命、天川田奈命。写真左から二の鳥居、拝殿、本殿(覆屋)。そう、二の鳥居も北面するが、参内して拝殿・本殿を拝するには180度向きを変えねばならない。社殿は南面(厳密には南東)しているのだ。鳥居と社殿の向きが90度というのはよくあるが、こういうのもありなのだ。

今日は節分。道理で草津のエキナカでは“こればっか”で助六はとうとう見つからなかった。お社境内の東屋でお昼を遣わせてもらう。通りがかる人も皆無で「黙って」1本完食。

やがて野洲川を渡る。橋名は内貴ないき橋。通りかかった高校生の軽口「この川は何でしょう」「ナイキガワ」「ぶー。ナイル川でした」何じゃそりゃ。

水口の街中へかかり踏切を越えて右折すると遠く鎮守の森。近づくと別のお社だったが、そこで道をきき、ここが旧東海道だとの説明を受け「きをつけて」と送り出してもらう。このあとでも思ったことだが、親切な人が多い。

ここにもあった社頭の太鼓橋。同じ様に、渡れない橋。近江路では“流行りもの”なのかな。それとも“縁起物”か。そうだ、参道の中心線は神様のお通りになる道だというから、有象無象が渡れないようにしているのかも。

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今日のターゲットB 柏木かしわぎ神社。祭神は大己貴命、誉田別命、川島皇子。写真左から楼門、拝殿、本殿域。
当社は玄松子氏のWebSiteで「式内社・石部鹿鹽上神社の論社(参考)」とされていた。しかし乃公調査の及ぶ範囲で「式内社」としたのは他に1件しか見当たらなかった。第一当社境内の掲示物数点のどれにも「式内社」云々の記述がなかったことを注記しておく。

神社社頭にあった「忍びの里」云々の説明板。街中には「お城の町」の掲示があったし、けっこう町おこしに熱心なところなのだ。

ふと社頭から先を望むと鳥居が見える。一の鳥居と目を付けて歩き出すが、これが回り道でも何でもなかったのでホッ。(略250b)

乃公65年前にCCDメンバーとしてくぐったはずの水口高校校門。当時は甲賀高校だった。() ウーン、ここで引き返したら電車間に合ったのに。けどそうしたら次の教会を見ることはできなかったか。

学校のすぐ先で見かけた日本キリスト教団水口教会。お掃除中の女性にお聞きしたら間違いなくヴォーリズ設計だと。帰宅後調べたら礼拝堂と門柱ともどもWMVの手になるもので、国の登録有形文化財。近江八幡や今津以外にもあるのだよ、これが。(William Merrell Vories)

途中で方向が分からなくなったので、踏切を越えて神社参道らしきところで掃除中の女性に教えてもらう。「ホラ、すぐそこ」。反対側のすぐそこに今日の最終ターゲットがあった。聞かなかったら逆方向へ行っていた。

ここにもあった太鼓橋。境内は伐採木を燃やしていたので写真画面も少々煙たい。

今日のターゲットC式内 水口みなくち神社。主祭神は大水口宿禰命。写真左から神門、拝殿、本殿。近江名所図会にはこう記す。 大宮社おほみやのやしろ 城下(編者注:水口城)の南にあり。

境内では何やらお祭り準備の真っ最中。「明日何かあるの?」と聞くと「今晩節分で餅撒きや」との答え。
2月3日水口神社節分祭『節分の札を授かると福引に参加できます。15時〜19時のあいだ、「力うどん」と「ぜんざい」が用意されています。(なくなり次第終了)神事が19時頃からはじまり、鬼やらいを予定。鬼が退治された後、多数の厄除餅(豆入り)が拝殿から投げられます』以上滋賀県観光情報より拝借。謝

と、そこへ先ほどこのお社を教えて下さった女性が再登場。「あの社殿の右向こうの車の間を抜けていくと駅への近道」と教えて傍まで付いて行ってくださる。と、その目の前を電車が行きすぎる。「エ?あれ貴生川行き?」「そう」「とすると暫く電車はないの?」「そう、半時間待ち」。ガクッ。それにしてもここまで追いかけて教えて下さったご好意に感謝のほかない。有難うございました。よっぽど頼りなく見えたのかなァ。

急いでも仕方がないが急いで近鉄(近江鉄道)の駅で時刻表をみるとこれはまた、半時間後に来るのは逆方向行きで、貴生川行きは1時間後なること判明。も一つガクッ。

ボヤいても仕方がない。駅員に聞くと「歩けるんだったら(!)1時間もかからんだろう」。結局来た道を戻ることとなり、貴生川に着いたのは14:45。

水口城南駅の駅員さん、有難う。「歩けるんだったら」は言外の励ましになりました(30分で2.5`は大したペースではないが)。JR草津線は1時間2本あり、予定遅れが30分で済んだことになる。「予定は未定にして決定にあらず」
ㅤそう、あまりギリギリの予定は組まないようにしよう。それが今日の大きい教訓。

今日の総歩数 (12.4km÷0.65≒)1万9千歩    ̄|△| ̄   ルートマップはこちら