お水取り松明たいまつともいうらしい  2015年3月6日

♣ 朝日カルチャーセンター“東大寺の修二会しゅにえを学ぶ” ♣

生まれて初めてお水取りを拝観してきた。これには一大決心があった。遠い、夜分、寒いなどの他に、松明が走り回るのを見て帰るだけヤンカ、という、早い話食わず嫌いだったのである。それがカルチャー教室の催事の一環で座学付きで拝観できることを知って一も二もなく申し込んだ、そういうこと。
 東大寺長老のお話しでは、あのお松明は練行衆れんぎょうしゅう登廊のぼりろうを上る時足許を照らす懐中電灯の役目でしかなく、本堂内陣で行われる声明しょうみょうをはじめとする行=悔過けか=にそのメインがある、つまり目で拝観することより耳で聴聞するのが修二会の本願であることを改めて認識した。

 

東大寺総合文化センターで長老の北河原師ほかによる座学を終えて二月堂へ向かう。正面は大仏殿

二月堂。西面する。正面に良弁ろうべん杉。右は三月堂(法華堂)

二月堂の舞台造を仰ぐ。寺院では清水寺が有名だが奈良県下では長谷寺もこの造り

正面(舞台側)でまずは参詣

Sample

本堂舞台正面から西望。手前は良弁杉。大仏殿の遥か彼方に生駒山(onmouse→up

北登廊(屋根付き)を下りると参籠所。ここに今日使われる松明10本が用意されていた。

参籠所の下に置かれた竹は松明用に各地の篤志家から寄進された真竹で、本行中上七日じょひちにち下七日げひちにちの計2週間にわたって使われる。今日は上七日の6日目

閼伽井屋あかいやの屋根瓦に鵜の飾り。この建屋の中にある若狭井からお水取りに使う水が汲まれる。鵜とお水取りの繋がりについては・・省略

二月堂へのサブルート(北側からの道)にはこのような結界が二重に張り巡らされる。気ィ付かンかったナァ

現地説明のあと再集合まで夕食休憩。大梵鐘のある鐘楼の近くに咲いていたアセビ

18:00 三月堂前。ボチボチ・・・

18:20 良弁杉前。舞台下の芝生斜面にも多くの人。我々は敢えてこの場所=舞台両端で松明が乱舞するのを近くで火の粉がかからないで、両方同時に見れる=に集結

18:40 カメラブレを敢えて表示。夕空の色の変遷をご覧じろ。

19:10 真っ暗になった。小さい松明が上がってゆく。これが降りて来、それが3回繰り返される

19:12 最初の大松明が舞台に上がり、左手隅から勢いよく突き出される。火の粉が舞い散る。参観者の間からどよめき。北登廊を二番目の大松明が上がっている。(艶消しコメントだが)舞台下に消防士の姿

 それが右手隅へ移る

19:14 二つ目が上がってきた。両方ではじける。それが10回繰り返される

約50分でお松明による光のページェントは終わり、参観者の大半は帰途につく。だが例年に比べて今年、特に今夜は冷えがさほどではないということで、このあと本堂の外陣の中に入れて貰い(女性はつぼねまでしか許されない)声明の現場を体験した。局は畳敷きだが外陣は格子一つ隔てた内側。これが板の間であったが約1時間声明をたっぷり聴聞させていただいた。ただ乃公個人的なことで言えば、約四半世紀前にフェスティバルホールで聴いた大阪永久平和祈念祭典での日蓮宗声明師(約4〜50人居た)が印象深い。21時前法螺貝ばかりになった時点で事務局に失礼する旨伝えたら“そろそろ神名帳が始まるよ”と言われた。最終まで聞くと日付が変わるので涙を呑んで失礼することにした。