三ノ宮から新開地へ  2012年3月11日

♣ 独 行 “生田裔神八社を巡る” ♣


神戸に三宮だけでなく「ナンバー神宮」があると気付いたのはお恥ずかしながらそう古いことではない。特にそれが「裔神えいしん八社」と呼ばれる生田神社の末社で、神功皇后に遡る古い謂われをもつとはついこの間まで知らなんだ。
 いまGoogle Mapという至極便利なツールがあるので、それでルート図をプリントアウトして算出された歩行距離とともに大いに参考にしている昨今である。
 朝、うらうら天気につい釣られてマップ片手に家を飛び出す。運賃はやや高いものの、所要時間はJRが短い。第一、乗換が簡単。各社の詳細は→こちらに譲り、ここではこぼれ話と、書き洩らしたことを中心にしよう。


コース : JR東海道線三ノ宮駅→一宮神社→二宮神社→三宮神社→四宮神社→五宮神社→六宮・八宮神社→(JR山陽本線神戸駅を抜ける)→七宮神社→神戸高速線新開地駅



JR三ノ宮駅ホーム。阪急や阪神、神戸地下鉄はいずれも「三宮」なのに、ひとりJRだけは「ノ」が入って表示される。これってJR文化なのか? 大阪では「桜ノ宮」とか「森ノ宮」とかあるし。西宮だけ「ノ」がないね。そう、調べたらやはりJRはずっと「西ノ宮」だったらしい。西宮市から改正の要請があって2007年に「西宮」に変えたという。


今日はあの東北大震災から満1年。いまだ遅々たる復興の歩みに現地の人たちと連帯しようと三ノ宮駅前で「メリーイン神戸」が開かれていた。世界の被災地の子供たちの笑顔をプリントした傘が印象的。


一宮神社は一の鳥居をくぐってもそのまま拝殿に進めない。一度域外に出て、改めてこの“二の鳥居”から入りなおす。珍しいスタイルだ。懐かしい医薬品卸業者の名前を見た。


一宮神社境内の紅梅。


二宮神社に西門から入るとこの大欅と大燈籠が出迎えてくれる。


二宮神社拝殿のバックに写っているのは別に奥社でも何でもない。布引ロープウェイ「風の丘駅」の建物で、ハーブ園を訪ねて数回行ったことがある。


三宮神社はさすがに繁華街の中にあるためか参拝者が引きもきらず、そうでなくても狭い境内で撮るものが殆どなかった。などと言い訳をする場合ではない。折角の白梅の接写がものの見事にピンボケになったではないか。


高層ビルに挟まれた四宮神社。一度は見落として数百メートル行き過ぎ、引き返して漸く見つけた。左側のビル1階が社務所になっており、手洗いを借りる。PCに向かっていたご婦人に、本来は「しのみや」だが今「よのみや」と通称している旨説明を聞く。→詳細こちら


五宮神社へ向かう途中みつけた「流石之碑」。昭和13年の阪神大水害記念碑。「りゅうせき」と読むが「さすが」でもいいのだ、ということになっているらしい。奥平野浄水場へ上がる道の傍にある。それにしても金網に余計なものを貼り付け過ぎですヨ。


五宮神社ほど近い某邸の庭先にモクレンの蕾をみつけた。


ここは横っちょから入ったので突然視野に入って吃驚。五宮神社境内東南隅の石碑標識。背後に千木高知りて坐すのが目当てのお社かと思いきや、違った。摂社のお稲荷さんだった。


五宮神社本堂は,と思わず書きそうになる、本殿の佇まい。バックにお寺の宝塔や大きいお堂の屋根が見えるので余計勘違いしそう。このお寺は明治創建で当社とは何の関係もないらしいが。

五宮神社から祥福寺門前へ出て真っ直ぐ南下。正面が大倉山公園で、左へ迂回して大通りへ出る。と、通りを隔てて向こうに何か見える。鳥居だ。大倉山は先日AZハイキング下見のスタート地点。それにしてはこのお社に全く気付かなかった。交差点をわたる。


すぐ鳥居が見える。北向きの鳥居って珍しいなあ、と思ったら正面は東向きだった。ここはいわば八宮神社の裏口。左脇の白い標示板に「六宮神社合祀」云々とある。


八宮神社拝殿。工夫もシャシャリも無いが、殆ど社頭の情報が見当らない、合祀された六宮神社のために、「(2012年)生田裔神八社巡り」に掲げた拝殿の写真を角度を変えて再掲することにする。これは写真を反転したのではない。しっかり2回撮った(笑)。念の為。

ここでやや雲行きが怪しくなり、少しパラパラときたが、程なく止んでラッキー。南下するとすぐ工事中の神戸地方裁判所に出る。工事中だが、古いレンガ造りの外壁を再利用したデザインはなかなかのものである。さらに南下するとJR神戸駅。ここは東海道本線と山陽本線の始発駅。(終着駅という説もある(笑))クラシックなコンコースを抜けて国道2号線に出、ひたすらバイパス分岐を目指す。


ここがバイパス分岐の陸橋。右向こうに阪神高速。歩道橋のドテッパラに「兵庫区七宮町1丁目/ホームズスタジアム神戸↑/七宮神社前/七宮歩道橋」。右端の玉垣に囲まれた僅かな茂み、それが今日最後の目的地・七宮神社。


七宮神社東入口の神門。社名表示は南向きの鳥居(自動車の向こうに微かに見える)脇のものよりこちらの方が大きい。目立つ場所にあるからか。当社は裔神八社の中で唯一「アマテラスとスサノオのウケイによって生まれた八神の一」が祭神になっていない神社。聞けば式内・汶賣みぬめ神社の論社でもあったようだし、生田でなく長田神社の末社ともいわれてきた等、謎の多い神社ではある。


ということで、通りへ出てストリートマップ参照の結果、北へ向かい、神戸高速新開地駅へ出るのがベストと判断。9.3km歩いた今日の予定終了。冒頭に対応させるため一旦阪急三宮駅へ出て駅名表示板を撮ろうと思ったが、始発特急に乗ったら面倒くさくなってヤメ。
山田駅に降り立ったら雨。何じゃ今日の天気は!