ㅤ近畿の屋根を縫う流れㅤ  2005年9月1日

♣歴史ハイク“御手洗渓谷”♣

1987年夏大峰山にトライしたときバスの中から撮ったもの。「村民100年来の悲願/21世紀の夜明けへ/新川合トンネル早期実現」とある。これが実現したのが1997年。今日往復通った奈良県下で最長のトンネル(2,751m)である。ちなみにもう一つの新笠木トンネル(1,693m)は1984年開通だがあのときは通っていない。すべてバスは笠木峠・川合峠を越えていたのだった。

そしてもう一つ峠越えをなくしたこの虻トンネル。このトンネルの標高は約790mだが、かつて峠越えはこのトンネルのさらに上(約850m)を越えて洞川に入っていたのだ。

観音峯登山口から北望・あの尾根の向こうに回り込むと大峰詣りの基地・洞川どろがわ

登山口トイレ前の標識。
クリックすると字が読めます。

登山口の吊橋。観音峯へも御手洗渓谷へもまずこの橋を渡る。

吊橋のそばに咲いていたゲンノショウコ。その昔々生薬“玄草”といっていた時期があったっけ。 click-花up

観音峯への山道途中で見つけたヤマジノホトトギス。同類にホトトギスやヤマホトトギスがあるから日本語は難しい。 click-花up

展望台までの途中にある観音の水。皆さん試飲していた。下りに試してみたが、なに、なかなかのものであった。 click-up

第一展望台到着。若いススキの穂が出迎えてくれる。それにしてもここは焼け付いてフライパンの上同然。昼食は登山口へ降りて、と衆議一決

弥山方面が一望のもとという惹句で登ってきたのだが、前衛峯がかすかに見えるのみで5分ほど待っても雲は晴れない。とどのつまり早々に退散することになる。

登山口に下り着き昼食後改めて渓谷探勝に出発。吊橋から下流を望見。

光ノ滝上部の渕。それにしてもこの渓谷の高低差はどうだ。川迫川合流点がほぼ650mなので傾斜は荒っぽい計算で100‰(パーミル)に達する。

杉林の中を高巻きにして快い山道を行く。遥か下に渓流の音がする。一回だけカナカナゼミを聞く。道半ばで光ノ滝へ下る。これはその急坂階段。

渓谷で御手洗滝と並び称される光ノ滝。今回はさほど水量があるようには見えなかったが、それでも水勢は“滔々”という言葉がぴったり。

オーバーハングしているのでは・・・と。いや本当にオーバーハングしてました。改めて渓谷の深さを実感。

地図では光ノ滝までとその後では平面距離は、後者のほうが3分の1に満たないのに、遥かに長く感じた。ここは御手洗滝の少し上部。向こうに見えるのが滝の落ち口

(撮影場所は多分左下写真の場所だろう、ということで)記念写真

歩いてあるいて、というよりは下りて降って、というほうがピッタリ。先が金属のスティックを衝き、一眼デジカメをぶら下げては足許がおぼつかない。前の写真と同じ場所で振り返ったところ。

御手洗滝の下流にかかる吊橋から望む滝の景観。これは下から上がってきたほうが感激するだろう、と思った。 click-up

滝のアップ。いずれにしてもこの渓谷、そしてこの滝の豪壮さは歩いてみないと実感できまい。

下流にかかるその名も「哀伝橋」から川面を俯瞰。

川迫川への最後の滝。名前が見当たらなかったが見事な滑り滝(ナメ滝)だ。露出オーバーなのが残念。 click-up

川迫川にかかる吊橋から上流を望む。川を詰めてゆくと行者還トンネルに至るのだそうだ。 click-up

同じく吊橋から御手洗渓谷を望む。信じられないほど狭い。 click-up

白倉谷と川迫川に挟まれた、稲村ヶ岳から派生した尾根筋の前衛峯(1,085m)